1-病院/医者/歯医者-(D)続話

 21(C)からの続話で今回は歯医者関係です。

 前回は歯治療について少し記しましたが、今回はUSAの1990年頃からのNew York近郊での歯治療に関することです。

 まず、日本は歯に問題が起きてから歯医者を訪問する人が多いと思いますが、アメリカ人は歯に問題が起きる前に適切な処置を定期的に行う予防歯科が中心になります。
日本も最近では定期的に歯の点検、処置を受ける人も多くなったようですが、それでも歯医者を訪問する回数はアメリカ人の方がはるかに多い様に思います。
そして、歯を美しくみせる為に多額の費用をかける文化が根強く、たとえば日本では愛らしさがあると思われる八重歯を見かけますが、USAでは見る機会は少ないです。
USAでは歯並びの矯正をする時に八重歯の処置等も小学校低学年頃から同時に開始する子供達が多いです。

 矯正費用はやり方、種類、居住地域、施術医者等により変わり、歯並びにもよりますが、短くても1年、場合により数年を要する場合もあり、最低でも$1万は必要です。現地では矯正している人はブレースと言っている様です。
 USAでは日本の様な保険制度は無く、個人で保険をかけますが、余程毎月高額保険金を払わない限り、保険を使っても治療費はその都度高額支払いになります。
もし、海外旅行を計画するなら離日前に歯の治療は完了しておくべきでしょう。

 昔は、前述のブレースをしていると歯を見せると表面に小さな固定板でワイヤーが取り付けられ見栄えが悪かったですが、最近は新技術で目立たなくなった様です。
この処置は特別貧困層でない限り殆どの家庭で子供の頃に歯並びをしっかり矯正することが文化です。
その為、殆どの人は子供の時から高齢近くになるまで歯のCheck Upを普通、数回/年を受けて、虫歯予防、歯のヒビ、破損、歯の矯正、クリーニング、歯石を取り歯周病予防の為の処置を受けます。予防歯科が常識です。
 そして、治療時は事前の本人情報によりHead Phoneかスピーカーから患者好みの音楽を患者の希望により流してくれます。不快な歯の削り音を減じリラックスさせる為の工夫がされています。
この様な気遣いをする歯医者は、勿論他所より治療費は高額になります。

 歯医者は治療前に色々患者希望を聞きますが、患者が富裕層と判断すると、治療に使う部材も異なり高額パーツを勧めてきますのでしっかり、交渉することが大切です。
日本の場合は、保険治療の場合の費用は歯医者間での差異はあまり大きくない様ですが、USAはピンキリ価格が存在し治療費も日本の数倍かかります。
 なお、USAの場合、居住地域により年収階級が大きく異なる場合が多く、日本の郵便番号であるZip Codeである程度それが判断出来ます。
(但し、全ての歯医者がそれで判断しないことも明記します)

 以上から、成人になった時に美しい歯を持っている場合は、その家庭のスティタスがある程度、判断されてしまうので、費用が嵩んでも親は子供の歯のケアの為に金を使う文化があります。
 成人や高齢者になると、USAでは1995年頃からインプラント治療する人が増加して来て、費用は当時約60-80万円/本ぐらいと記憶しています。
抜歯してすぐインプラントする場合は工数が少し短くなる様で費用が少し安くなりますが、骨質量が不足する場合は骨の育成期間が必要で、インプラントを開始出来るまで半年〜1年以上かかる場合もよくある様です。
高齢者の歯根が細くなると、そのセメント質を太くし歯肉との隙間を埋める治療もよく行われています。

 今日ではそれほど騒がれませんが、エイズが蔓延していた頃は歯医者の使う治療機器に多くの懸念が生じ、治療機器の消毒等で工数が増えた事を耳にした事を記憶しています。

サカ 記、E5期