―― 日本の電気通信の歴史展示説明と技術者マインドの承継 ――
工学部通信工学科5期卒
東京支部 岩本吉男
NTT技術史料館(企業博物館)は、西暦2000年に当時のNTT宮津社長が建設しました。
この技術史料館のコンセプトは2つ
① 日本の電気通信の歴史全体を体系的に展示・説明する。
NTTは元は国家機関で日本の電気通信を発展させる義務と立場にあったのでその足跡を公開する必要性があった。
② 技術者マインドの承継
先人技術者の創意工夫と弛まぬ努力(技術者マインド)の足跡を次の世代に伝えたいと言う願いです。
そして、そこから更に優れた技術が生まれることを期待して(温故知新を期待して)。
私は、NTTグループ会社退職(2015(H27)年3月)後は、続けてここで「OB運営サポータ」を始めました。これはボランティアで私と同じような経歴の人達が20人程います。高齢化が進んでます。
仕事は主に来館者等の展示物説明などです。現在的な質問としてサイバー攻撃があり勉強してます。また、かっての自分の専門分野の語り部(60分程度の小講演)を館内で開催することも有ります。
この技術史料館はNTT武蔵野研究開発センター内にあり、地上三階地下一階で1,500点程を展示説明してます。企業博物館としては国内最大級だと思います。
DIPSの「語り部」歴
(1)2017年9月15日 「DIPSシステム製造用高級言語SYSL」
――― DIPSのOSをどのようにして、高性能に製造したのか、その秘密に迫る! ―――
<当時世界はOSはアセンブラーで製造(記述)していた。高級言語で記述に挑戦>
(2)2019年12月20日 「DIPSの通信管理」
ーー コンピュータネットワークとは何か ーー
<当時世界は大型コンピュータ間接続は同機種間の接続だった。異機種間接続に挑戦>
(3)2022年11月25日 「DIPSの運転・保守」
ーー 運転・保守を現地有人から、遠隔化、集中化、自動化、そして小型システム無人化へ ーー
<広域コンピュータネットワークの運転・保守を遠隔化、集中化、自動化、無人化に挑戦>
(4)2024年1月19日 「DIPSのOS」
ーー コンピュータのOSとは何か ーー
<リアルタイム系、TSS系、ネッワーク系など各種OSの提供に挑戦>
(5)映像も有ります。(「世界最高水準をめざして」からの再掲)
(映像)「エピソード#5 日の丸コンピュータ開発者は語る」2022年、DIPS開発を3人で語った。
NTT語り部シリーズ「温故知新」 | NTT技術史料館 (groupis-ex.ntt)
◎ 総合研究所所長から感謝状を受ける
2023年(令和5年)6月、NTT技術史料館を管轄するNTT情報ネットワーク総合研究所の所長から、NTT技術史料館において「OB運営サポータ」として運営に多大な貢献をされた、としてその功績に感謝状を頂いた。
この感謝状贈呈式は、同時にNTT武蔵野研究開発センタ内にある4つの各研究所において2022年度に優れた研究成果を挙げた研究者の表彰状贈呈式と併せて行われた。このとき依頼で私は表彰された研究者に「技術者マインド」の話しをした。(写真の演台右側に座るのは4つの研究所の各所長)
2024年(令和6年)1月、「情報処理学会」の「コンピュータ博物館実行小委員会」の委員に就任。
NTT技術史料館での活動と関連付けられて依頼された。
情報処理学会とは:情報処理学会 (ipsj.or.jp) 日本のコンピュータ:コンピュータ博物館 (ipsj.or.jp)
~ 完 ~