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F07期 友電会会長 廣瀬一夫

 全国区の同窓との出会いと友電会の関わりについてお話します。
1998年にハイテク(サイバー)犯罪対策室が発足しましたが、当時はサイバー犯罪に関する法律もなく、既存の法律のみで対応していかねばなりません。そうなると犯罪検挙のみではいたちごっこ。霧がありません。どうしても事件化(捜査)とともに犯罪防止活動(防犯)も重要になります。そこで一歩先に進んでいる民間の力を借りることとし、同年に官民・大学の力を結集するためにNPO法人(新潟情報セキュリティ協会)を設立し、これを母体として同年に「情報セキュリティワークショップin越後湯沢」という全国規模の会議を新潟県で開催しました。
この間、問題点の把握と対処方法を身につけるため、経産省外部機関の「IPAセキュリティセンター」を訪問したり、壁の厚い教員方々の関心を得るため校長会にお邪魔してフィルタリング等を携えて伺いました。一緒に活動している協会の仲間からは「型破り公務員」のあだ名を頂戴するほど図々しく動き回りました。
 このワークショップ開催で参考にしたのは、和歌山県の白浜で開催している「コンピュータ(現サイバー)犯罪白浜シンポジウム」です。このシンポの実質的主催者は「JIP」日本電子計算(株)の方々で、ここには同窓もおられました。彼らから知恵を拝借しながら手探りで湯沢ワークショップを開催しました。このワークショップでJIPの方々を始め、大学や高専の先生、IT企業に就職されておられる同窓の方ともお会いでき、いろんな話が出来、同窓の絆を感じるとともに、紹介の輪が広まっていきました。
皆様方とのお付き合いによって「自分の仕事が上手く行くか行かないかは人脈に大きく関わり、如何に交流の輪を広げ、仕事を成し遂げるには組織におけるキーマンを見つけ出すかにかかっている。」と感じました。民間会社の方々とのお付き合いで営業の基本を学ぶとともに、公務員の認識と大きく違い、我が人生に別の花を咲かせていただいたなあ、と痛感しております。
 また、ワークショップでの発表や討論会を通じた縁で、さらに友電会の理事会や全国支部長会に呼ばれて講演までするようになり、ますます友電会と繋がりが深まっていきました。その後、友電会の評議員になったり理事になったりしましたが、本業が忙しく、これらの役職は数年で遠慮させていただきました。
 以後10年余、友電会とは交流が絶えておりましたが、2017年ころ、孫の世話で老後を楽しんでいたところ、兼ねてからお付き合いのあった先輩から「友電会を一般社団法人として設立したいので手伝って欲しい。」との誘いがあり、再度、友電会に関わり現在に至っております。
 今、友電会との関わりについて振り返ってみると、この湯沢ワークショップの開催と出会いが如何に大きかったと感じています。刑事として歩んできた道と違う道にも大きな人生がありました。


※記事引用: 新潟日報、三条職警連だより