Boxer犬に咬まれる

Americaで会社や仕事で訴訟される事については色々経験は積んで来ましたが自分が個人的に相手を訴訟した事は無く、以下の出来事は後日、自分の対応の未熟さを反省した出来事です。

時は2014年頃で自宅の近くの小学校の裏手に雑木林があり、普段は一般の人は入りませんが、犬の散歩をする人が偶にいる様な所で、私と妻は家から数分の為、よく柴犬を連れて散歩をしていました。
その日も、犬の首にリードをつけて散歩をしていたら前方40mぐらいの藪の中で何か大きく動くものがあり、よく見たら二匹の大きな犬でした。
私は誰かが犬の散歩をしていると思いゆっくり前方に歩いていくと突然二匹の犬がこちらに向かってダッシュしてきました。
首にリード無しの二匹が目前に迫って来たので瞬時に自分の柴犬が襲われると感じ、腕に抱きかかえ、防御体制を取りました。

目をギラつかせ、牙を剥いてヨダレ出している二匹に、アッ、Boxer犬だ、、と思った瞬間、体長1m程の犬が私の左側面からジャンプして抱いている柴犬目掛けてアタック!
私は左の肘を開きながらその攻撃をかろうじてかわしましたが、私の左顔面前で咬み損ねた口が、ガッシと音を立てた様でした。
恐怖で足がすくみ逃げようと思った瞬間、今度はもう一匹のBoxer犬が回り込んで正面から柴犬を目掛けて大きな口、牙剥いてアタックしてきました
再度、かわすため身体を右にひねった瞬間、左腕の骨がガッキとする感覚が、、アッ、やられた、、と思ったら追いかけて来た飼い主が大きな声で二匹を制し、首にリードをつけました。

私はすぐ、飼い主になぜリードをつけていないんだ!
コッラアー(実際はもっと汚い非難の言葉を浴びせた)、そして柴犬を地面に下ろし妻に柴犬のリードを持たせました。

腕からは鮮血がポタポタ流れ落ちましたが、止血せずに腕をふって血を体外に出し、咬まれた所を見ると大きな穴が開いて、、白い骨まで見えるようでした。
相当な出血でコンクリートの側面は真っ赤、飼い主のDriver Licenseを携帯で撮り、狂犬病注射の有無を確認して近所の病院のER(Emergency room)に駆け込むとDoctorはすぐ、飼い主のいうAnimal Hospitalに連絡を取りながら(狂犬病注射を打ってるか確認)傷口の消毒をしましたが、、
麻酔無しで消毒液を傷口にじゃぶじゃぶになる程、注入後、傷口に人差し指を突っ込みグリグリ何度も回転させました。
その荒っぽい手当を見た瞬間、失神するぐらいの痛さが襲ってきました。そしてDoctorのグリーンの手術着の手首を見たら何と!青い入れ墨!なんじゃこれは?!とShockを受け、手当完了後、Doctorと話していたら、私は今Back UpでERしてるけど最近アフガニスタンの戦場から帰って来たんだって、、荒っぽい治療に納得でした。
今でも傷跡はうっすら残っていますが当時、妻が手術後の療養中で妻の身体を常時気遣っていた為、このBoxer犬の飼い主に対する訴訟を起こす事まで気がまわりませんでした、、
飼い主は犬にリードをすることが法律で義務付けられており、訴訟すれば問題なく数百万円は請求出来ると知人の弁護士は言っていました。
当時飼い主が自分が悪かったと何度も謝罪しており、私が感情的に日本人に戻ってしまって訴訟する事を見逃した失敗でした。
白人社会ではこの様なケースの場合は訴訟を起こすのが普通です。

サカ 記、E5期