深夜にセキュリティ会社から非常電話が入る

日本本社からの商品を輸入販売する中堅会社は倉庫が大きくオフイスがその一角にある場合が多く、地域によって異なるが倉庫付きオフイス地域はセキュリティが良くない場合もあり、
私が勤務していたLos AngelesやNew Yorkでも正面玄関のガラスが3度割られた泥棒被害に遭いました。

一番最初に被害があったのはLos Angeles空港の南東2-30kmにあったオフイスで、事務機、建築用機器等を販売店経由で販売拡大していた1983年頃の経験です。

倉庫/事務所ともセキュリティ会社と契約をして犯罪防止に万全を期していましたが、午前2時頃にセキュリティ会社から自宅に電話が入り、
『現在詳細不明ですが御社の侵入感知装置から反応信号を受信しました。ポリスに連絡しましたので現在現場に向かっているはずです。ついては管理者の貴方も現場に急行願います。』
との事務的な説明を受けましたが、私は初めての経験で膝が少し震えていた事を覚えています。

20分程でオフイスに着くと既に二人の警官が単一電池が4個ほど入る様な大きな黒い懐中電灯で畳一枚ほどの大きな割られたガラス方向に向けて事務所の中の様子を見ており、後方からはパトカーのヘッドライトでオフイス玄関先を照らしている状態、、時々パトカーの中から無線連絡内容が聴こえていました、、

私は到着後、警官のそばに行くとまず、身分証明のIDを見せ、倉庫内の商品の説明等をさせられた後、今度は奥のほうにある照明スイッチを点けなさいと言われましたが、さすがにこの時点では怖さ全開ですから、私は躊躇して『嫌だ』と言いました。(アメリカでは泥棒は、拳銃を持っている場合が多い)

すると、警官は『貴方はこの倉庫のオーナーだろう、我々は電気照明のスイッチの場所を知らないから貴方が先に入って電気をつけなさい』と言うのです。
ちょっと奥まったところにスイッチがあるのでそりゃ怖いですがサッと入ってスイッチ オンして後ろを振り返ると二人の警官は既に腰から拳銃を半分抜いていました。
きっと、彼らも本能的にまだ賊が、倉庫か事務所の何処かに潜んでいると思ったのでしょう、、
後で思い出したのですが、私が中に入るのを戸惑っていた時、大丈夫我々が“後ろ”にいるから、、、て言った様に思いました。
『オー、怖っわ!』の記憶は消えません。

この時は受付のタイプライター、小型コピー機、Fax機等、事務機器等だけの被害でしたが警官より先に入って電気照明を点けさせられた事は今でも覚えています。 
なおLAでの2回目は倉庫の商品がパレット一枚分被害に遭いましたがその時は幸いにも先に入れと言われず安全確認まで外で待ってホッとした訳でした。

サカ 記、E5期