(続)Las Vegasの展示会場で

 計画的に損害賠償金を搾取する目的で、我々が実演中の釘打ち機の釘破片が頬に入った怪我の為、仕事も失い、通常生活も出来なくなった事で訴訟を起こされた体験を前回「訴訟社会America-1」で述べました。

 怪我が起きたのは釘打ち機実演時の安全管理の不備、初期怪我手当の欠如、商品の欠陥が原因であり、その怪我の損害費用、精神的なDamageを受けたことに対し一億円の訴状が私個人名義とその他関係者に発送されて来ました。
その顛末は前回で記しましたが、これだけで終わらなかったのがAmericaの訴訟社会でした。
今度はその怪我をした男性の妻からの新規訴訟でした。

 確かに頬からは少量の出血があった事はその時、複数の社員により確認されていましたが破片のようなものが頬の中に残るような傷では無く、本人の意思で絆創膏を貼って対応したのですが、今度はこの事故の数ヶ月後に弁護士経由で妻から訴状が届き、その内容を見た時、我々関係者は驚愕し、開いた口が閉まらない、、、が正直な気持ちでした。

 一体この国はどうなってんだ!もう怒りを通り越して笑いしか起きませんでした、、この訴状は冗談かと思いました。

 契約保険会社の弁護士に訴状を見せたら、我々と同じようにバカバカしい内容の訴状だと言ってくれると思っていましたが弁護士の反応は我々とは違っていました。
弁護士曰く、あ、そうか、それなら出来るだけの証明等集めて対応しましょう、、まあ憤慨されず任せてください。このような訴状内容はよくある事ですから、、、と軽くサラリと受け止められた態度に又、驚きました。

 怪我した男性の妻の訴状にはなんと、、
夫の今回の重篤な怪我が原因で“私達の夜の夫婦の生活が無くなりました”と記述され、夫は頬に傷を負ってから痛がり熟睡することも出来ず今までの生活が一変しました。
当然、夫との夜の夫婦生活も無くなり、最近は離婚を考えるようになりました、云々、もう笑うしかありません。
 この様な事で新規訴訟してくるのか?、、、

 第一、当時の夫の怪我の程度は明らかにかすり傷、、案外自分で傷つけたのでは?と思う程度の傷でした。
これが正直な気持ちでしたが、驚きは弁護士がこの訴状内容に動揺が全くなく、事務的に【あ、大丈夫ですよ解決しますから、、、】の言葉を再度記しておきます。

 USAでは個人の権利、主張を守るためには何でもアリ、を強烈に学んだ一件でした。

追記:US市民の名誉のために記しますが大半の人は良識ある人達でこのような賠償金搾取目的の訴訟は一部の人ですが多民族国家でもあり、居住地域等により日本とは比較できない程、この様な驚き訴訟ケースは多い様です。

サカ 記、E5期