オーストリアの地下鉄で集団スリに襲われる

New Yorkで2008年3月にハッピー リタイア後、初めての長期ヨーロッパ旅行をオランダ、ドイツ、スイス、イタリアそしてオーストリアの5カ国をユーロパスを使って妻と二人で1ヶ月間観光周遊しました。 

アメリカでの旅は問題ないですがヨーロッパでの旅経験は無く、行き先の駐在員の友人達にEC旅行時の注意すべき事を尋ねると、殆どの友人が特にイタリアはスリが多いから注意しなさいとの助言でした。

子供や女性が近くに寄ってきたら要注意ですよっと忠告を受けました。
しかしそれほど深刻に考えずにルンルン気分でオランダから旅行を開始しました。

そしてオーストリアは有名な作曲家の墓が多くあり、妻の希望で地下鉄を使って移動していた時に、頭が真っ白になる集団スリに遭遇しました。

友人達、旅の知恵本等で忠告されていたスリ被害に注意する事を心掛けていましたが、まさかそれがオーストリアで起こるとは想定外でした。

そうですオーストリアの地下鉄の始発駅で妻が先に乗り、私がそれに続いて乗り込もうと電車のドアに近づいた時、右前にいた男が私の足元で小銭をバラバラっと落とした後に私の足元の裾をパラパラと叩いて小銭を回収するフリをしていました。(私の神経は足元に集中)

すると今度は右後ろの男が一歩前に出てきて私の右のポケットに手を突っ込んで来て物色の様子、、、

私はあっれ? 彼は何をしているんだろうと呆気に取られていましたがジーンズのポケット布を隔てて太ももに感じた人肌温度にビックっとして我に帰った瞬間、今度は左後ろに控えていた175cm程の男が後ろから私の財布の入っている左ポケットの中に左手をまるで蛇が入ってくる様なヌルヌル感でゆっくり手を差し込んで来ました! 

うっわー なんじゃこれは! もう頭はパニックで真っ白!

そして、はっと、友人達の忠告が一瞬閃きました、あっ!これなんだ!

機嫌良く幸せ気分で夫婦で初めてのEC旅行で温和だった私の顔が豹変したのと(多分)同時に体が自然に反応して左前方に動きながら、右足を踏み出し、右手でスリの左手の4本指を腰を入れながらガッシ!と固定して少林寺拳法の送り小手の技を掛けたら!なんていう事でしょう!

技が見事に決まって、相手の動きが瞬時止まりました、、、

その時、車内正面に座っていた妻が立ち上がり、貴方どうしたの?って呑気顔、、その顔を見た途端に技が外れてしまい3人組が一目散に階段を駆け上がり逃走しました。

私は鼻、口だけの呼吸量では足りず顔面は真っ青(多分)で、そして電車内に入ると座っていた人が「大丈夫だったかい 彼らはこの国の人間じゃないジプシーだよ、よく注意してね」って声をかけてくれました。

サカ 記、E5期